バイオマス・アクション・ネットワーク、COP30リーダーズサミットにおける偽りのバイオエコノミー解決策「ベレン4X誓約」に警鐘を鳴らす~締約国へ公開書簡を提出
11月10日から21日までブラジルで開かれる国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)に合わせて、バイオマスエネルギーの問題に取り組むNGO・市民社会の国際ネットワーク「バイオマス・アクション・ネットワーク」から、下記のプレスリリースが発表されました。地球・人間環境フォーラムも同ネットワークに加盟しており、COP30には、当団体の飯沼佐代子も現地で参加しています。
ブラジル、ベレン – 2025年11月7日 ― 持続可能な燃料に関する「ベレン4X誓約」で定められた液体バイオ燃料・バイオガスを4倍に拡大させることは、気候変動対策と称して大規模な木質バイオマス発電を拡大することと合わせて、気候危機の悪化、生物多様性の毀損、人権への脅威といったリスクを伴う―ベレンで開催予定のCOP30を前に、バイオマス・アクション・ネットワーク(BAN)はバイオエコノミーや危ういバイオエネルギーが注目を集める中、締約国宛ての公開書簡でこう訴えた。
ブラジルがCOP30リーダーズサミットの場で、森林保全策として「国際熱帯林保護基金(Tropical Forest Forever Facility)」を提示する一方で、その正反対の結果をもたらすバイオ燃料に関する政策への支持を求め続けている。この政策は需要の増加を招き、自然林への圧力を強めることで森林破壊や森林劣化を促進し、多様な生態系や農地を単一作物のプランテーションへと転換させるという、正反対の結果をもたらすものである。
多くのバイオエネルギー技術は、気候変動を緩和するどころか、むしろ気候に悪影響を及ぼすリスクがある。森林の膨大な炭素貯蔵を大気中に放出し、2100年までの重要な期間にCO2濃度を上昇させ、地球温暖化を悪化させるのだ。エネルギー目的の木材燃焼は、樹木が再生して吸収する速度を上回る速さで炭素を排出する。この事実は、偽りのカーボンニュートラル宣言では無視されている。
「ベレン4X誓約」における木材由来の液体バイオ燃料やバイオガスの推進は、再生可能エネルギーとして依然拡大中の固体木質バイオマスと合わせて、憂慮すべき誤った方向性だ」とBAN政策・キャンペーンコーディネーター、ペグ・パットは述べる。「エネルギー目的の木質バイオマスの燃焼は、蓄積された温室効果ガスを即座に大量に放出する。そのカーボンニュートラルという神話は、森林が再生するのに必要な数十年(仮に再生するとしても)を無視した、欠陥のある炭素会計に基づいている。真の炭素コストが国家の炭素会計に反映されることはほとんどない」
「バイオエネルギーのための伐採は、科学が求めるものとは逆行している。それは、私たちが気候変動に対して持つ最も優れた自然の防御機能を損なうものだ」と、BAN の国際アドボカシー・キャンペーン担当、ダヴィ・マーティンズは述べている。「権利に基づく保護と生態系の回復が、森林の健全性と回復力を高めることが証明されている時代に、私たちは間違った方向へ進んでしまっている」
各国代表団はバイオエネルギーに関する課題の認識を持つことが非常に重要である。現在のエネルギー向け木質バイオマスの工業的利用は既に過剰であり、北米、欧州、アジア、ラテンアメリカにおいて深刻な社会的・環境的悪影響をもたらしている。
したがって、バイオマス・アクション・ネットワークは本書簡において締約国に対し、以下のことを要請する:
- 木質バイオマス由来のバイオエネルギー(発電所およびバイオガス・液体バイオ燃料の両方)を気候変動対策として認めず、国際的・国内的な目標から除外すること。
- 炭素回収を伴う木質バイオマスの将来的な利用を断念すること。こうした技術は、真のネガティブエミッションをもたらさないためである。
- 木質バイオマスエネルギーの生産・消費に対する補助金を廃止すること。
- 緩和策として森林保護を優先し、厳格かつ整合性のある透明性確保の取り組みと一貫した基準を通じて、2030年までに森林破壊・森林劣化を止め、反転させることを推進すること。
- COPが、バイオエネルギーが森林に依存する人々やサプライチェーン全体に与える影響への対応を含め、真に低炭素な再生可能エネルギーへの公正な移行のあらゆる側面に真剣に焦点を当てるようにすること。
- バイオマス燃焼に関する欠陥のある炭素会計を改革し、燃焼による排出を化石燃料と同様に消費国のエネルギー部門の会計に計上するとともに、土地部門の会計を改革し、炭素貯蔵量の質と変化について、それらを差し引きで示すのではなく明示的に示すこと。
- 木質バイオマスと石炭の混焼は排出削減策にならないことを認識すること。
書簡全文はこちらをご覧ください
「ベレン4X誓約」についての、BANのブリーフィング資料はこちら
報道関係者お問い合わせ先
ペグ・パット(オーストラリア東部時間)
バイオマス・アクション・ネットワーク 政策・キャンペーンコーディネーター
peg.putt[a]gmail.com
ダヴィ・マーティンズ(ブラジル時間)
バイオマス・アクション・ネットワーク 国際アドボカシー・キャンペーン担当者
davi[a]environmentalpaper.org
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